少しだけ、歩く

ゆる~く、自己成長につなげたい。雑記。

「しずく」(西加奈子)を読んだ

 多分、賛否が分かれると思いますが、僕、お風呂に入りながらマンガや小説を読むのが好きなんですよね。

 

 他に何もできない状況で、ただ本を読むのが良くて、もうかれこれ3,4年は続けてますね。

 

 さて、今回は、「しずく」(西加奈子)を読みました。

 

しずく (光文社文庫)

しずく (光文社文庫)

 

 

 簡単なあらすじ

 恋人の娘を一日預かることになった私は、実は子供が嫌いだ。作り笑顔と機嫌取りに汗だくになっても、ぎくしゃくするばかり……。ふたりのやり取りを、可笑しく、そして切なさをこめて描く「木蓮」。恋人同士が一緒に暮らしたことから出会った二人の雌猫。彼女たちの喧嘩だらけの日々、そして別れを綴る表題作。ほか、日だまりのように温かい「女ふたり」の六つの物語。

  「しずく」(光文社文庫出版)裏表紙引用

 

 一短篇を一回のお風呂で読んだので、計6日で読んだので、初めの方の短編の記憶があいまいなのですが、悪しからず。

 

 表題作である「しずく」は、恋人同士の同棲によって出会い、恋人同士の別れで二度と会うことがなくなった二匹の雌猫の物語。

 

 二匹の猫の視点から、家の中で起こる日々の出来事を観察する。

 

 この二匹、猫の頭の働きの表現のため、ちょっとおつむが弱い。そして、意味不明な言葉が、なぜか癖になる。

 

「ねえ、サチ。見てよ、あのふたり。忙しいフリしちゃってさ。」

「いやあね。小走りして、働いているような気持ちになってるだけよ。」

「大体人間っていうのは、肉球がないもんだから、足音がうるさくて、いけないわね。」

「二本足で歩くなんて、本当に、みっともないし。」

「そういえばサチの肉球、桃色と茶色のまだらで、おかしいわよね。」

「あら、何言ってるのよ。あんたのおでこのブチなんて、泥をかぶったみたいで、変だわ。」

「何言ってるの。あんたのまだらなんて、本当にまだらなんだから。はっきり言わしてもらうと、すごく、まだらよ。」

「あんたのおでこの泥だって、前から言おうと思ってたんだけど、前から言おうと思っていたし、これは、前から言おうと思ってたんだから!」

のおおおおおおおおおおおおお。

だふうううううううううううう。

   「しずく」引用

 

 引用しすぎて、著作権について調べてしまった…。

 

 最後の6行がいいですね~。鳴き声が、「漁港の肉子ちゃん」の肉子ちゃんのいびきみたい(笑)。鳴き声なんですよね、これ。

 

 ここだけ見ると、コミカルな話なのかなと思われますが、飼い主たちの別れにより、突然、離れ離れになる。

 

 実際、これに似たことって、現実にあり得るんだろうなと思うと、動物の気持ちを考えざるを得ない。人間の勝手で、なんの気なしに環境を変えられてしまうのだから。

 

 また、「木蓮」は、バツイチ・子持ちの男の恋人である女性と、男の子供の女の子,マリの話。

 

 女性は、男に好かれるような自分をつくるのに必死だが、自由奔放すぎるマリにいらだつ。

 

 ですが、最後には、マリのおかげで、いい意味で吹っ切れた。吹っ切れた後の,女性と男の関係がどうなったか、気になる。

 

 

 

 また、この短編は2006年ごろに書かれたらしいです。2006年って思っているよりも前でした。意外。あまり、略歴について詳しく知らないので。

 

 と、ここらへんで。

 

 では。