深夜特急2(沢木耕太郎)を読んだ
こんにちは!
深夜特急の2巻を読み終えたので、軽い感想を書きます。
あらすじ
香港・マカオに別れを告げ、バンコクへと飛んだものの、どこをどう歩いても、バンコクの街も人々も、なぜか自分の中に響いてこない。<私>は香港で感じた熱気の再現を期待しながら、鉄道でマレー半島を南下し、一路シンガポールへと向かった。途中、ペナンで娼婦の館に滞在し、女たちの屈託のない陽気さに巻き込まれたり、シンガポールの街をぶらついていくうちに、<私>はやっと気がついた。
(本紙裏表紙参照)
感想
今回は、香港→タイ→マレーシア→シンガポールと、マレー半島を縦断していました。
前の巻で訪れた、香港の熱気と比べ、訪れた街々に何か物足りなさを覚える主人公。
まぁ、比較したらそういう気持ちになることもあるなぁと思いながらも、それぞれの街で出会う,個性豊かな人々や、街の暮らしの情景を楽しみながら読んでました。
旅というのは、同じ場所を訪れるとしても、全く同じ経験を得るということではなく、乗り物や時間帯,その瞬間にその場にいた人,接触の仕方によって全く景色が変わってくるんだろうなと改めて思い、もし自分が同じルートで旅をするとしたらどうなるんだろう…と耽りました。
また、主人公の順応の仕方が凄いなと思いました。同じように旅をしている他国の人たちにも引けを取らないぐらいに順応している日本人ってすごいなと思います。(まぁ、僕の外国人に対するイメージの問題でもありますが)
また、個人的には、その街々の子供の様子がとても印象に残りますね。
世界中のどこかで同じように歳をとり、同じ「人間」として生きているにも関わらず、全く違う土地で育っている人々を感じるっていうのが新鮮ですね。単純に「広いな」って思う。
また、この巻で、主人公がフリーランスのライターであることがわかりました。
だが、ジャーナリズムに忘れ去られることなど少しも怖くなかった。それより、私は未来を失なうという「刑」の執行を猶予してもらうことの方がはるかに重要だった。執行猶予。恐らく、私がこの旅で望んだものは、それだった。
本紙P175引用
初めに就職した会社を一日で退社というのも相当やばいことをしていると思うんですが、それらに共通するものは、「属することで何かが決まってしまうことを恐れ、回避した」ということらしいです。
僕も、こういった経験はあるので何となくわかります。というか、これからも必ず起こると思います。
属することで何かが決まる恐怖って、ある意味、自分の人生の器を削られていくようなものだと思ってるし、そんなこと、だれでも嫌ですよね。
しかし、この主人公は、それに正面から立ち向かい(というか、単に逃げ)、今のところは「執行猶予」を得ているんですね。
僕もまだ「執行猶予」の身なので、できるだけ先手を打ちたいと思ってます。のちに環境から自分の器を削られないように。
終わりに
ということで、深夜特急2を読んだわけですが、あと4巻もあるんですね。もうそろそろ僕の読書欲が中だるみに入りそうなんですが、本を読み終えるという達成感も僕にとって大事なので、読んでいきたいと思います。
では。